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ガチムチサイコサスペンス:『フォックス・キャッチャー』

アカデミー賞の発表が近づいてきたこともあり、ここ日本でも続々とノミネート作の上映が始まってきています。
最多賞確実とされている『バードマン』は日本では4月10日からの公開です。
その他にも複数の部門にノミネートされている作品があり、今回はそのなかから二つの作品『アメリカン・スナイパー』と『フォックス・キャッチャー』のレビューをしたいと思います。
まずは『フォックス・キャッチャー』からです。
いや〜凄い映画でした。劇場内に張りつめた空気みたいなものを感じるんですよ。ポップコーンを食べる音、咳払い、何一つ音がしないんです。おそらく身動き出来ないんです、映画に見入って硬直してしまって。
自分がそうでしたから。まったく身動きができなかった。買った飲み物に最後まで口をつけることが出来ませんでしたから。もしポップコーンを買ったとしても同じだったでしょう。観客全員がそうだったのでは?
また、映画の内容自体が全編を通して静かに進行していくので余計に劇場内の静かさが際立ったのかもしれません。しかしそれだけではない。恐怖を前にして息を潜めるような、蛇に睨まれた蛙のような、目に見えない異様な妖気に体をがんじがらめにされたような、そんな負の静寂が劇場を支配しているのだ。
その原因は映画の内容にあります。
映画は実話をベースに作られており、デュポン財団のジョン・デュポンが自分で作ったレスリング・チームの専属コーチを殺害した話しを元にしています。
ロサンゼルスオリンピックでレスリングアメリカ代表として金メダルを獲とくしたマーク・シュルツでしたが、その後の彼の人生はけっして恵まれたものではありませんでした。
今も現役ではいるものの名声は過去のものになりスポンサーによる資金援助もなく彼の生活は苦しくなるいっぽうでした。さらに彼にとって悪いことは、マークのコーチであり同じく金メダリストでもあった兄のデイヴの存在でした。世間はマークよりも育成者としてのデイヴを評価していたのです。
そんなときにマークに声をかけてきたのがジョン・デュポンです。ジョンは自分が新しく作ったレスリングチームの選手としてうちに来ないかとマークを誘います。そのときは兄も同伴してという話しでしたが兄はそれよりも前に他のチームのコーチを依頼されていたので結局ジョンのもとへはマーク一人が行く事になります。
きゃっちa

金銭面の待遇は良くリーダーとしてチームを率いることも任され、以前の生活とは違う自分に彼はジョンに感謝をします。
世界的に成功した経営者であり学者として本も執筆している。そんな人間がレスリングと自分に理解を示してくれて、おまけに自分のことを友人と語ってくれるのだ。
「これまではお兄さんだけが評価されてきた。しかしこれからは君が注目をされる番だ」
その言葉は、ジョンへの尊敬の想いを一層高めるのだった。
きゃっちb

経営者として、チームのコーチとして、そして一人の人間として、すべてにおいて完璧で優秀と思えたジョンでしたが、しかし彼の本当の姿が少しずつ顔を覗かせていきます。でも映画を見ている人は初めから気づいているはずです。その人の本性がまだ出ていなくても潜在的に感づいていたはず。じつは知らず知らずのうちに観客の精神は侵蝕されていたのだ。それが最初に言った目に見えない妖気に体をがんじがらめにされるといったやつです。
その怖さを醸し出すスティーブ・カレルの芝居は相当なものです。心が抜け落ちている人間を見事に演じています。
キャッチc

じわじわと観客と劇場内を侵蝕していき遂には隅々にまで充満される狂気ですが、しかしまだなにも起きない。だがひとたびそこにワンアクションを加えると一気に全てが咀嚼されてしまいそうな張りつめた気が劇場内を支配する。まるで命綱無しで綱渡りをするようなものです。
ジョンの全ての行動と言動が怖くてたまらない。絶対にヤバいって思うことが頻繁にあるんですよ。絶対に事を起すぞ、という。でもクモの糸分の命綱のおかげで命拾いをするっていうね(苦笑)本当にギリギリのところで正常を保っているというか。
一番ヤバいと思ったのが、彼って武器収集もしてていて、ある日のこと戦車が庭に運び込まれてくる。でもそれには機銃がついていなくてそれがないと駄目だと突然怒るんです。そこで最初の胸騒ぎが起きます。その後に機銃が運び込めれてくるわけです、そのときのジョンはすでに狂気マックス状態、なにが起きそうなのか分かるでしょ?でも起こりません。何か悪い事が起こりそう、そんな不穏な空気感がずっと映画を支配します。
きゃっちe

ジョンの秘められた狂気の原因がなんであったのかは実際のところ判明していませんが映画では描かれています。それは彼が幼い頃に受けた母親からの教育にあったようです。全ての行いは母に愛されたかったがゆえだと映画は暗に示しています。
チームの人間達も彼の異常さには気づいているけど今更なにも言えません。だって大金持ちのチームのオーナーですし。
キャッチd

ここでもう一人心を病んでいく人が登場します。そんなジョンと一番近くにいた人、そうマークです。
あれだけ信頼して尊敬していた人が実はサイコパスな人間だった。しかもです、一人でやっていくと一度は決めたのにジョンは金にものをいわして兄と兄の家族を呼び寄せて住まわせるんです。それは単に不満からの腹癒せ行為でした。
ジョンを信頼できなくなり兄との確執は強くなる一方。もう誰も頼ることができなくなったマークはスランプに陥って試合にも勝てなくなってしまいます。
きゃっちf

このマーク・シュルツを演じるチャニング・テイタムの芝居もまた凄い。
彼の事を単なる筋肉俳優と思っていたので今回は見直しました。でも今回の役は彼にしか出来ない役なんですけどね。まずはレスリング選手。これはチャニングが持っている筋肉にぴったりの役柄です。そしてちょっと頭の回転が悪いキャラ。自分で成し遂げたいと言いつつ結局は兄がいないと何もできない駄目人間なんです。ある映画評論家が彼の顔をアホ顔と言ってましたが、たしかにそうで、そんなアホな表情と今回の役柄がぴったりはまってました(笑)
でもアホはアホなキャラなりに心の葛藤を見せていて鬼気迫るものがありました。評価も納得の演技です。
ちなみに、ジョンを演じるスティーブ・カレルはコメディ俳優なんです。今回でまったく違った側面を開花させ今後が楽しみな役者と言えるでしょう。
この映画で一番悲惨なのが兄のデイブでしょう。まあ殺されてるわけだから当然なんですけど。でも殺されるような人間ではまったくないんです、それが悲惨というか。
弟思いだし、スランプに陥った弟を最後まで見捨てずにいましたから。ジョンのドキュメンタリー番組に出演するときも演出家からの無理なリクエストに従って「ジョンは私の人生の師匠です」なんてことを言わされてたし。可哀想すぎる。
憶測ですが、ジョンがデイブを殺したのは嫉妬からでしょう。実は自分がなにもない空っぽな人間だったのがデイブの出現によって明白になってしまった。
私は良い人間なのだ、なのに君がいることで全てが変わってしまった、そんな私がなぜこんな仕打ちをうけなければならないんだ?
そんな勝手な思い込みがあの悲劇に繋がったんでしょう。
デイブを演じるのはマーク・ラファロです。なんとハルクのブルース・バナー。最初誰かと思ったほどの役作りでした。チャニングもそうでしたけど二人とも本物のレスリング選手にしか見えませんでした。動きとかが完璧。
この『フォックスキャッチャー』は、この三人の役者達の圧倒的な芝居を堪能すべき作品です。久しぶりに役者の力を純粋に感じることができた作品でした。
きゃっちg

どうしようもなく暗くしずんだ雰囲気と物語の映画ですけど、最後には救いがあります。
マークのその後と現在です。それはエンディングにシーンとして描かれテロップでも語られます。
生まれ変わったマークを見る事ができます。それを楽しみに最後まで映画をご覧ください。

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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

結婚とかするもんじゃないな・・:『ゴーン・ガール』

まるで割れた尻のように大きく突き出した顎がスクリーンいっぱいに大写しにされている。それを見た俺はこみ上げてくる笑いを必至に堪えるのだった。
駄目だ、映画が始まってまだ一分しかたってないじゃないか、残りの2時間28分、こんなことで耐えられるのか?ベン・アフレックが登場するたびに笑ってしまうじゃないか。前途多難である・・・
これが『ゴーン・ガール』が始まってすぐの自分の感想です。
だってしょうがないじゃないですか、ベン・アフレックといえば顎、そうネタにされるぐらいだ。あんな見事なケツ顎、漫画のキャラでしか見た事が無いぞ。まあだからこそ、2016年に公開される『バットマンVSスーパーマン』のバットマン役に選ばれたんだけど。
ゴーンa

歴代のバットマン俳優はみんな顎が第一条件で選ばれているのだ。マスクから出た口と下あごはバットマン最大の特徴である、ゆえに演じる俳優の顎も自己主張を出来る力強さがなければならないのだ。歴代バットマンと演じる俳優達の顎をチェックしてみてください、はっきりと分かるはずですよ。
彼が『ゴーン・ガール』の前に主演した『アルゴ』も劇場で見に行きましたけど、そのときの彼は顎が髭に覆われていたので全然無事だったんです、真剣に映画を見る事ができた(笑)
そのおかげなのか、彼が監督と主演を果たした『アルゴ』はアカデミー作品賞に輝きました(笑)まあ冗談は無しにして、映画は作品賞に相応しい立派なものでした。でも本当は意識して髭を封印したんじゃないの?映画は凄くシリアスな話しだし(笑)
しかし新作では顎全開なのだ。しかも上映時間は2時間29分。拷問である(笑)
しかもですよ、映画本編のなかでも彼の顎の話しが何度も出てくるのだ(笑)これは凄い!
妻が言うんです「この顎のせいで悪い人に見える」と。そしてベンは顎を隠す仕草をする。顎づくしやないか!(笑)
こりゃもたない、そう覚悟しました。それにです、ベンが演じるニックというキャラクターが相当ぼんくらで出来損ないの人間なのだ。
映画は、ニックとエイミーという夫婦が登場します。彼らは5年前に出会い愛し合って結婚しました。
それから5年後、夫婦に間には溝ができ倦怠期を迎えていました。
その日は妻の結婚記念日になるはずでした。しかし彼女はいつまでたっても家に帰ってこない。そして遂には行方知れずとなって捜索届けを出すのです。それはニュースとなって、マスコミの過激な報道合戦は二人に隠された人間性をも露にしていく。
はたして事件の裏でなにが行われたのか、真実と偽りが巡る中、物語は衝撃のラストへと進んでいく。
ゴーンb

予告でも語られていてネタバレにならないので書きますが、妻を愛する誠実で真面目な夫、じつはこれが本当ではないことが少しずつ明かされていくんです。それが悪意であるのかどうかはネタバレなので伏せておきます。
でも一つだけはっきり言えるのは、とんでもない間抜けでぼんくらな旦那だということです(笑)何カ所かの場面でマジで笑いますから(笑)
ゴーンc

このボンクラ具合がですね、どうしても彼とジェニファー・ロペスがつき合っていた頃を思い出すんですよ。
そのバカップルな数々の行いに世間は失笑の目を向けました。彼のキャリアが失脚したのもその頃からです、そして長期に渡って映画界から干されることになる。そのジェニファーとも別れ、『ザ・タウン』で認められ『アルゴ』のアカデミー賞受賞まで長い苦渋を味わう事になります。
そのかつてのバカぶりが『ゴーン・ガール』で再現されているのである。顎だけでも笑えるのに、昔に戻ったバカが余計に笑えてしょうがないんです(笑)
デビット・フィンチャー監督は、だからこそこのキャラクターに彼をキャスティングしたんでしょう。ハマりすぎてる(笑)
でもです、笑えるのは最初のうちだけ、このあとはとんでもない話しになっていきます。絶対にネタバレを見ないように、世にも恐ろしい急転直下の展開に物語は進んでいきますから。正直ある程度は予想していたんですがその上を遥かに超えてました。怖すぎる・・・世のカップルと夫婦必見です。互いに信じられなくなること受け合い(笑)でもだからこそ愛を確かめ合えるかも。そんなことなどない、映画の中での話し、そうあってほしいものです。
顎とバカをものともしないデビット・フィンチャーの手腕には感服するしかありません(笑)
沢山のショッキングな作品を作ってきた監督ですが、間違いなく上位ベスト3に入るでしょう。
もちろん上位は『セブン』と『ファイト・クラブ』です。ラストもそれらに肩をならべるくらいの印象を残すでしょう。つまりは・・・
でもその怖さと衝撃を全て可能にしたのは、主演で妻を演じたロザムンド・パイクです。世間で言われているように来年度のアカデミー主演女優賞は確実でしょう。
思い出しただけでも寒気がする・・・
ゴーンd

皆さんぜひともその寒気を体験してきてください。この冬の寒空に体などを壊さないように。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

X-MENのストームだけじゃないのよ!:『911緊急通報司令室』

ハル・ベリーの出演作で最近見たものはなんですか?もしくはかつて見た作品でもOK。
『X-MEN』?『X-MEN2』?『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』?それとも『X-MEN:フューチャー&パスト』?
コールd

全部X-MENだけじゃねえか!もっとあるだろ、彼女がアカデミー賞の主演女優賞を取った『チョコレート』とか、あと・・・・・あと・・そ、そう『007 ダイ・アナザー・デイ』のボンドガールとか、それと・・・・・え〜と・・あれだよあれ、『X-MEN』のストームとか!・・あ・・・・
と言った感じの人も多いのでは?(笑)一般的には『チョコレート』と『007』の名前さえ出る事がないかもしれないが。
なにせ『チョコレート』以降、作品に恵まれないのが彼女の現状です。よって『X-MEN』のストームのイメージがずっと付いて回っている。あと、『キャット・ウーマン』でラズベリー賞を受賞したのもキャリアに影響を与えている。『ゴシカ』なんてホラー映画にも出てるし。これらは全部オスカー受賞後の出演作。本人の作品撰びが悪いのかもしくはエージェントが無能なんでしょうね、せっかくの才能を勿体ない。
昨年公開の『クラウド・アトラス』は個人的に好きなんですけど、なにせ監督が『マトリックス』以降まったくヒット作が出ていないウォシャウスキー兄妹の作品なのでアメリカでの成績は案の定大コケ。本当に恵まれない。
現在公開中の『X-MEN:フューチャー&パスト』では未来で戦うストームを演じてますが、物語の中核は過去の話なので特に活躍しているといった印象ではなかったし。
潜在能力と類い稀な美貌を持っているんだし、ここでもうひと頑張りしてほしいものです。
今回は、そんな不遇続きの彼女に久しぶりに巡ってきた良作品『ザ・コール:緊急通報司令室』を紹介したいと思います。こちらは昨年公開の作品で現在レンタル中です。レンタルはTSUTAYAのみらしいのでお忘れなく。
緊急通報司令室とは日本で言うところの110番と同じです。アメリカでは911になり、この通報を受けたコールセンターの人間は状況に応じた措置を行います。電話をかけてきた人間に指示を与えたり警察や医療機関に連絡を入れたりするのがコールセンターに勤務する人間の仕事です。
そこに勤務する主人公をハル・ベリーが演じます。
まず驚いたのが、コールセンターの尋常ではない激務です。とにかくありとあらゆる電話がかかってくる。その内容は、なんでもない日常生活の問題からいたずら目的のものまであり、事件的なものでは人の生死に関わる通報なんてものもしょっちゅう。だって向こうは一般人でも銃の所持を許している国ですからね、犯罪の恐ろしさときたら他の国と比べ物にならない。映画で見るようなことが電話口の向こうから聞こえてくるわけです。それに迅速に判断して対応しないといけないんだから自分が激務だと言ったのが分かるでしょ?
そんな仕事だから精神に負担がかかることもあるようで、それに対するカウンセラーが仕事場にはいるらしい。もう凄いとしか言いようがありません。
ハル・ベリーはある日取った一本の通報からミスを犯してしまい一人の少女を死なせてしまいます。それは殺人事件でした。
その半年後、それが元で通報を受けることが出来なくなった彼女は今は教官として勤務しています。
そこに一本の通報が入ってきます。それを取った新人は対処に慌ててその場に居合わせたハル・ベリーが急遽対応することになります。
それは一人の少女からの通報でした。彼女は今車のトランクから電話をしていると。見知らぬ男にさらわれてトランクルームに入れられたと彼女は泣き叫びます。自分は殺される、死にたくないと。
ハル・ベリーの脳裏にかつての記憶が蘇ります。早くなる鼓動。そしてひと呼吸。
そう、彼女は私に助けを求めてる、彼女を絶対に死なせない。そして少女を落ち着かせるために彼女の星座を聞きます。
「そう、私も山羊座よ、だから絶対にあなたは負けない、私たちはファイターよ、戦うの」
コールa

ここからがスリル満点。
少女とハル・ベリーは連絡を取り合いながら打開策を考えるんですが、なんとか外に自分の危機を知らせようとしても成功目前で全部裏目に出てしまう。その結果ほかにも犠牲者を出したり。
コールb

またこの犯人がとんでもないサイコなやつで徐々にその凶暴性と異常性を露にしていくんです。そして捜査中に判明する犯人の素性と過去。
最初は少女とハル・ベリーのやり取りだけで車から脱出する物語かと思いきや、映画は中盤から、サスペンススリラーといった趣の内容へと変わっていくんです。これがかなり怖い。
コールc

前半だけでもかなり面白かったのに後半からの展開は予想外でした。
そしてハル・ベリーが『羊達の沈黙』のクラリス・スターリングばりの大胆な活躍をするんです。
ここで納得しました、彼女が劇中で何度も口にするファイターとはこう言うことだったのかと。たしかに戦う女戦士の姿でした(笑)
また、私たちはファイターよ、と言ってるのにも注目。私たちです。そう、女戦士はハル・ベリーだけではなかったのだ。
女を本気で怒らせて敵にしたらどれだけ恐ろしい目に合うか、この映画を見てつくずく思いました。
ラストは痛快です。女性にも受ける作品だと思います。
TSUTAYAだけにしかないのがなにかと不憫ですが、それでも絶対に見てもらいたいオススメの作品です、ぜひ。





テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

だから女は怖いんだよなあ:『発情アニマル』(邦題)

昨日、面白い映画をレンタルしましたので今回はその紹介をしたいと思います。
タイトルは『I Spit on Your Grave』。訳すと、私はあなたの墓につばを吐く、になります。
レイプe

これだけじゃなんのこっちゃ分かりませんよね、一目見てストーリーが分かる邦題をつけられなかったんでしょうか。
実は今回借りた作品はリメイク作であり原作が元々存在します。1978年に製作されたその作品の日本公開時のタイトルが『発情アニマル』です。
・・・・なんのこっちゃ。やっぱりそう思いますよね(笑)動物が発情する?動物の性を描いたドキュメンタリーか?
そう思ってしまうのももっともです。
で、ビデオがリリースされた時のタイトルが『悪魔のえじき』・・いきなりホラー!?ますます分からなくなってきました。
そしてテレビ放送の際のタイトルが『女の日』・・・今度は文学的な感じなんですけど!
そのあまりの内容から公開時に問題となった不遇の作品だが、それが今ではカルト的な伝説の作品に。
そのリメイクが昨日借りた作品です。はたしてどんな作品なのか、ちょっと内容を紹介したいと思います。

一人の若くて綺麗な女性が車に乗って国道を走っています。まっすぐに伸びた道路の両脇には針葉樹林が生い茂っている。
彼女は作家であり、執筆をするためのコテージへと向かう最中でした。一人静かに集中出来る場所として彼女はそのコテージを撰んだのです。
途中、ガソリンを給油するために寄ったスタンドで彼女はたちの悪そうな三人の男達に絡まれます。ですがなんとかその場をやり過ごすことで再び目的地へと向かうのでした。
レイプa
レイプb

夜、静まりかえったコテージ。彼女は無事に到着したようです。彼女はベランダに置かれたテーブルにパソコンを広げて執筆作業に没頭しています。
そんな時、目の前にある物置小屋から突然物音が聞こえます。そして見ると、扉が開いている。
確認しに行く彼女でしたが別に変わったこともなく、彼女はその場から離れてコテージに戻るのでした。
翌日、コテージの前にある池のほとりの桟橋で日光浴をする彼女。するとどこかから微かな物音がしたことに気づきます。しかし見渡しても何もありません。彼女は得体の知れない不安にかられます。しかし彼女はまだ知りません、常に視線が彼女に向けられていることを。舐めるように、息も荒々しく、その欲望の視線に狙われていたことを・・

はい、もうお察しのことだと思います。『発情アニマル』とは、彼女を付けねらう変態のことなんです。つまり、彼女を○○しようとするレ○プマン達のことなんです。
そして案の定、彼女はその毒牙にかかってしまうんです。これが凄惨極まりない。
恥ずかしめを受け、暴力を受け、陵辱され、逃げる彼女を捕まえてまた繰り返す。何度も何度も。
全身血と泥にまみれてフラフラと歩く彼女の姿がまるでゾンビのようであり、もう見るに絶えられません。そして追い討ちをかけるように最後には殺そうとするんです。
レイプc

これを読みながら不快な気持ちになった人もいるんじゃないでしょうか、だとしたら本当にすみません。
だからね、前回の『プリズナーズ』のレビューでも書きましたけど、アメリカの田舎町はほんとに危ないんですって、こんな所に女の人が一人でいっちゃ絶対駄目。しかも夜に外に出てしまうとか、そんなことしたら余計に変態や殺人鬼の餌食になってしまう。
物音がしたからって一人でそこに行っちゃ駄目でしょ、そこに殺人鬼が身を潜めてるのはホラー映画の常識なんだから。なんでアメリカ人は危険なところにわざわざ自分から行こうとするかな、学習が足りんよ、学習が。
そんな感じで、またまたホラー映画の原則にはまり込んでしまった主人公の女性なのでした。
でも、本当に恐ろしいことが起きるのはここから。今までのことなんてそれが起きる序章、前フリにすぎないのだ。
しかもそれを味わうのがアニマル達。
なんとか間一髪で逃れることが出来た彼女は一ヶ月後に再びこの田舎町に戻ってくるんです。何をしにかって?
プリズナーズなわけですよ、彼女はヒュー・ジャックマンをしに戻ってくるんです。それもヒューなど比べ物にならないぐらいの残虐グログロ拷問ショーを繰り広げに。
レイプd

田舎町と拷問。まさかこんなにも共通していたなんて(笑)ネタじゃないですから、本当に偶然です。
この拷問の仕掛けがけっこう凝っていて、もしかしたらそのバリエーションだけで『ソウ』シリーズのようにシリーズ化できるんじゃないのか?と思ってしまうほどです。
と思ってたら、やっぱり続編がありました。でも評判に便乗した作品のようなんでイマイチかも。借りようか悩むところです。
だから不快になった人はご安心を。それを遥かに上回る100倍返しで気分爽快になりますから。
ただし、グロ耐性の無い方はお気をつけて。
女ってほんま怖いね。ガクブル。

テーマ : 映画レビュー
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犯人よりもヒュー・ジャックマンが怖いかも:『プリズナーズ』

アメリカの田舎町を舞台にした映画はどうしてあんなにも怖いのか。
『ミザリー』『ツインピークス』『ヴィレッジ』『2000人の狂人』など、一見、優しく良い人そうに見えて実は狂ってる、と言うパターンが多い。
スティーブン・キングの作品も田舎町を舞台にしたものが多いけど、彼の場合は初めから狂った人間も登場する。
『悪魔のいけにえ』のように、田舎をドライブ中の若者達が猟奇殺人一家の犠牲になってしまったり、『ホステル』のように、エッチし放題の田舎町があると聞いてそこに向かった若者達が町の住民達に捕まり拷問惨殺されたりとか、とにかく田舎町の怖さったらない。
独自の風習やコミュニティがあったり、それぞれの家が秘密を隠していたり、またその秘密を共有したり、それらに部外者が足を突っ込んだりするととんでもない目にあってしまう可能性が極めて高い。
もしあなたがそんな町に行ってうっかり秘密を知ってしまった場合、知らぬ存ぜぬを通すように。そうすれば助かる見込みはあるかも・・。
でもほとんどありえない話なんですけどね、こんなのは作り物の世界、実際は優しくて気さくな人達ばかりですよ。旅の途中で泊まる宿が見つからなかった場合、民家の戸を叩いてみなさいって、みんな快く泊めてくれるはずですよ。決して台所で不気味な笑みを浮かべながら包丁を研いだりしてませんから。出された飲み物に睡眠薬なんて入ってませんから。だからご安心を・・
そんな怖い話は映画を見て楽しむだけで結構です。それを今一番に感じたいのであれば公開中の『プリズナーズ』を見ることをオススメします。
主演はヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、テレンス・ハワード。
狂人達が鳴りを潜める平和な田舎町。そこで起きた一つの誘拐事件です。
アメリカのとある田舎町の感謝祭の日、ヒュー・ジャックマンは妻と息子と幼い娘の家族を連れて友人の家へと向かいます。
感謝祭を祝う両家族。そんな中、ヒューの娘が友人の娘を連れて自宅で遊びたいと父にお願いしにやってきます。
娘a
娘b

それならお兄ちゃんを一緒に連れて行きなさい、ならかまわない、とOKしたヒューなのでした。
しかししばらくして、ヒューはリビングでくつろぐ兄と友人の長女を見ます。妹達はどうした?一緒に来てくれとお前に頼みに来なかったのか?そう息子に訪ねるも答えはNOです。
急いで娘達を探しに行く家族達ですが一向に見つからない。そこで息子は思い出します。実はここに来る少し前、とある場所に車が止められていて妹達はそこによじ登って遊ぼうとしていたんだ、その車の後部座席の窓から薄気味悪い男がこっちをずっと見ていた、そう父に告げるのでした。
通報を受けた警察はその不審者車を捜索して発見します。そして車が逃亡を計ろうとしたところを取り押さえて犯人を逮捕するのでした。
だが男は取り調べにたいして全く口を割りません。口から出てくるのは、早く帰りたいといった弱々しい返事ばかり。
娘c

実は男は10歳ほどの知能しかない障碍者だったのです。そんな男をいつまでも拘留しておくことはできない、そんなわけで釈放するのですが、それをヒューが黙って見ているはずがない。彼は釈放されたその場で男をねじ伏せ娘達の居場所を聞きます。
警官から引き離される寸前、ヒューは男の口から聞くのでした。
「あの子達は僕の前では泣かなかった」
これで間違いない、二人をさらったのはあの男だ。そして決心したヒューは計画を実行します。
娘d

古びた一軒家。ここはかつて自分が所有していた家。今や廃墟となったこの一室には三人の男達がいるのみ。
ヒューと彼の友人、そして彼らの足下に座らされた手縄をされたもう一人の男。
ヒューはあの男を連れさらい監禁したのだ。
「娘はどこにいる」
その瞬間、ヒューの拳はその男の顔面へとめりこんだ。
娘e

どんな拷問を与えても決して口を割らない男。見るに絶えない拷問が続きます。これだけのことをして口を割らないのはおかしい、もしかしたら彼は犯人ではないんじゃないのか、そう思ってしまいます。でも娘しか分からないことを彼は知っている、それは娘と一緒にいたからだ。そんな迷いと揺さぶりを見る者に与えつつ、やはり一番に怪しいのはこの男だ、と思わす演出と展開。
なのに、ここでまた一人怪しい男が登場する。この男が最初の男以上に怪しい。思わせぶりな奇怪な行動をたくさんするし、追ってくる刑事を待ち伏せして返り討ちにするぐらいのアクティブなやつなのだ。
この男の出現で展開がますます読めなくなってくる。しかも両方とも顔があれなんで、どっちが犯人でもおかしくないのである。
もしかしたら、監禁された男は障害者を偽ってて本当は知能犯じゃないのか、刑事を欺いてるだけなんじゃないのか、そんなことも考えてしまう。
サスペンススリラーを見る醍醐味はそこ。予想と裏切り、この繰り返しがあればあるほど心地いい疲労感が味わえる。だからこそ、オチが酷かったりすると落胆と怒りがこみ上げてくる時もある。
この映画はそのオチに行き着くまでの心地よさが凄く味わえます。とにかく多くの謎と伏線が散りばめられていて終始緊張が続くんです。
刑事が捜査途中で発見する地下の謎の死体もそう。それはたまたま発見するんだけど、まるで事件と関係なさそうな場所でそれが見つかったと言うのも、最初に説明した、一見普通に見えて実はそうではないといった、田舎町に秘められた得体の知れない怖さがある。
またこの町では、過去に複数の失踪事件もあったらしい。もうこうなると、全ての謎を一つにまとめて予想するなど至難の技だ。もしこれが無理なく一つに結ばれるのであれば最高のサスペンススリラーと呼べるだろう。はたしてどうなるのか。
そんな醍醐味を感じつつ、もう一つの醍醐味を味わうことができるのが、ヒュー・ジャックマンの拷問なのだ。
拷問シーンがある作品には意外と面白いものが多く、サミエル・L・ジャクソン主演の『4デイズ』が最もお気に入りです。
娘をさらわれて怒り心頭の彼がする拷問のわけだから、そりゃ相当なもんです。しかもウルヴァリンも演じる筋骨隆々の彼ですから力の入りようが違う。その結果された側はどうなるのかは見てお確かめください。隣の観客の女子などずっと彼氏の腕に顔をうずめていたようです。こんちくしょう(笑)だから世の男達よ、まっことチャンスの映画ですぞよ。
また拷問をされる側と同じぐらいにヒューが痛々しい。明らかに限度を超えた拷問なんですよ、でもエスカレートしていく、別の容疑者が捕まったと言うのに。「神よおゆるしを」。信心深い彼はそうつぶやきながら拷問を続けるんです。明らかにダークサイドに堕ちてます。もしこれで犯人が自分が監禁した男でなかったら・・これはヒュー・ジャックマン自身の悲劇の話でもあるんです。
娘f

それら様々な要素が高度に組み合わされたのがこの『プリズナーズ』です。ひじょうに見応えがあります。これでオチが素晴らしければ完璧。
謎や伏線はちゃんと回収されて一つに結びついてます。そこにはまったく不満はありません。
だだ少し思わせぶりすぎたかな、そのせいで盛りに盛り上がったわりには最後に急速にしぼんでいった感じがしました。
思わせぶりな演出が大きいものだから、犯人に繋がる一つ一つの要素もいまいち説得力に欠ける。なんだか無理矢理な感じがすると言えばいいか。
特に迷路。よほど凄い謎が隠されているに違いないと思わす演出ですけど実際は拍子抜け。映画を見れば分かりますよ。
でも総じてよく出来たサスペンススリラーです。映像も良い。常に曇り空の冬の景色が不安と恐怖を余計に掻き立てます。
ドスン、と胸に重く来る見応えのある作品です。サスペンスやスリラーが好きな方に強くオススメします。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

プロフィール

ヒッシー

Author:ヒッシー
映画レビューから最新作の情報配信まで、映画に関する面白いことなら何でも書いちゃおうといったブログです。また映画フィギュアの紹介とそれを使ったコント劇も作っています。なぜか真面目な話が作れません(笑)と言うか、お笑いのほうが作ってて面白いし。
読んでくれた人に笑って楽しんでもらえる、そんなブログを目指しています。たまには真面目なレビューもするよ(笑)

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