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高校生がこんな映画見ていいの?:『渇き』

前日に見た『マレフィセント』はなんだったのか・・
マレフィセントとオーロラ姫とのあいだに生まれた愛ある信頼関係に心洗われたその翌日、まるでこの世の悪と言う悪、汚物と言う汚物、それら全てをぶっ込んでかき混ぜたような狂った映画を見たせいであの感動が遥か遠くの記憶になってしまった。
ああ、早くあの汚らわしい世界を記憶から消さなくては、でも・・でも、なぜか心地いい後味感、あれを体感している自分はたしかにハイになっていた、認めたくはないがそれは事実。
これがド○ッグと言うものなだろうか。これはヤバい、この映画は危険だ、もしや精神に異常をきたした人間がいるのではないか?もしくは知らぬ間にあの狂気が潜在意識に刷り込まれてしまっていずれそれが目覚めてしまう時がくるのかもしれない。
ならあのキャンペーンはなんなのか、「入場料、高校生1000円」キャンペーンとは。
『渇き』。この映画は純度100%の紛れもない狂気の映画だ、上映時間中の1分1秒どこにも救いがない。
暴力、拷問、洗脳、死、ド○ッグ、セックス、レイプ、近親相姦、幼女売春、この世の悪と言う悪が必要以上に描かれ、その描写は目を反らしてしまうほど残酷で醜悪なものだ。
物語は、とある惨殺事件から幕を開けるー。
父親(役所広司)は失踪した一人娘の行方を探していた。だが娘のことを調べれば調べるほど彼女の知られざるもう一つの顔が見え出す。それは狂気の世界だった。
自分が知るあのおとなしかった娘は偽りの顔だったのか?役所広司はその答えを得るために自ら狂気の世界に足を踏み入れるのだった。いや、それができたのは彼もまた狂っていたから他ならない。
すべて暴力で解決してきた。仕事も家庭も、男はそうする術しか知らなかったのだ。
妻と娘はそんな男のもとから去って行った。そして仕事も失った。
荒れる日常。
そんな時だ、妻から連絡があったのは。そして男は今、娘を探して狂気の世界を彷徨っている。
暴力と死が横たわる血塗られた道を進む男は一つの想いを胸に先へ目指すのだった。
この手で娘を殺す。
それが娘に対する愛だと気づくのはもう少し先のことだ。
渇きa


出てくる登場人物はみんなキ◯ガイばかりで、これまた頭のいかれた暴力おやじの役所広司がそんなキ◯ガイ達を相手に血なまぐさい喧嘩を挑む、と言うのが映画の基本ストーリーです。
またそれとは同時進行で、娘が企む鬼畜な行いが物語のあいだに挟まれます。先に書いたありとあらゆる犯罪の全てに彼女が関わっているんです。もちろん本人の考えで実行を起こして。まさに悪魔です。
渇きc

それを直接的にないにせよ、けっこうギリギリのラインで映像で見せているところもえげつない。幼女売春などとくに年齢を言ってないけど、ランドセルを背負ったその子を映像で見せちゃいかんだろと思ってしまいます。
でも中には直接なところもあってグロいシーンが駄目な人は覚悟をしておいたほうがいいでしょう。
オダギリジョーや妻夫木聡など女性に人気の俳優を使っておいて彼らにもキ◯ガイな役を演じさせているのも凄い。面白いのは、そんな役でも彼らは作品に肯定的なんです。役者ってそんなものなんですよね、誰でも悪役や変なキャラを演じたがる。そう言った意味でもこの作品は見所が多いです。本当に頭が狂ってますから。
渇きd
渇きb

でもそれ以上に狂った芝居をしてるのが役所広司なんです、本気でどん引きしますから。表情や言葉、その姿格好まで、マジで凶悪な犯罪者にしか見えない。それは言い過ぎだとしても、確実に地上最強の駄目人間と言えるレベルです。
そんな役を演じられる役所広司って心底凄いと思う。よく撮影と撮影外の0N、OFFの切り替えが出来るよなあ。並の人間なら心が持たない。だって幸せに暮らす他人の嫁さんをレイプしたりするんですよ、バックから突きまくったりして。おまけにそこの子供を誘拐して人質にしちゃうし。本当に人じゃない。
渇きe

こんな映画なのに「高校生1000円キャンペーン」とか(笑)どうかしてるやろ。まあ確かに、出てるくるやつらのほとんどがどう見ても10代で、高校の生徒もみんなバカばっかり。あれが今時の若者のリアルな姿だとすれば別に高校生にこの映画を推奨してもいいのかな、共感したりするんだろうか。個人的には、こう言う風には絶対にならないようにと訴えたキャンペーンだと思いたい。
でもキャンペーンで館内が高校生らで満員だったのを見るとそうは思えないような・・もしかしたらお偉いさん方がほくそ笑んでいるかもしれない。
とんでもなく血なまぐさい狂った映画だけど、正直言っちゃうと、なぜかハマってしまう魅力があるんですよね。ドライブ感と言いますか、演出と編集とトリッキーな映像のせいで猛烈な疾走感があるんですよ、だから飽きない。それが最後まで続くから終わりでどっと疲れてしまうんですけど。
このあたりは流石、『下妻物語』『嫌われ松子の一生』『パコと魔法の絵本』『告白』を撮った中島哲也監督と言ったところでしょう。でも正直前半の映像はクドい。これまでにない映像を作ろうとする意識が露骨に見え見えで途中で飽きてきました。それを極力排した中盤からはよかったけど。そのおかけでドライブ感が増した。
さて、そろそろ閉めに入ろうと思います。
結論、『進撃の巨人』の実写映画化から監督が降板したことは正解(笑)
監督が撮るとどんな目にあうかわからん(笑)
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実際の福山雅治はいつ父になるのか:『そして父になる』

本年度の日本アカデミー賞で助演男優賞と助演女優賞を受賞、カンヌ映画祭では審査員特別賞、そしてスティーブン・スピルバーグ総指揮のもと、ドリームワークスによるハリウッドリメイク決定。
何から何まで凄い事ずくめの映画、それが『そして父になる』です。
出来過ぎじゃねえの?ちょっとだけなら内容を知ってるけどそこまでのものか?見る前は正直そんな気持ちを持っていました。
福山雅治の主演はどうなのか。なんだか彼の演技って木村拓哉の感じに近いって言うか・・つまり何を演じてもキムタクって言うやつ。
でも仕方ないですよね、本業はミュージシャンなんだし。それで芝居も上手くて顔もかっこよかったらたまったもんじゃない。しかも彼って下ネタが好きなんでしょ?そりゃ、それだけ恵まれたものをもってりゃ放送禁止用語の一つや二つ生放送中に言ったって誰も文句言わないでしょ。女の人に至っては、も〜マシャったら♥︎、て逆にうっとりするんじゃないの?また、そんな福山にも男は親近感を持って憧れるのだ、良き兄貴として。
そんな完璧人間に対して唯一ツッコミを入れることが出来るのが演技だ。でもこんなことを書いたら絶対に炎上してしまうんだろうな、クワバラクワバラ。批難のコメントが来ないこと祈りつつ・・
でも正直言ってどう思います?その意見も聞きたいな。
いや、別に芝居が下手と言ってるんじゃないんですよ、ミュージシャンって詩の内容を感情込めて歌うわけだし、芝居とも共通する部分があると思うんですよ。でも福山雅治は福山雅治なんだよなあ。仮に、彼がこれまでのイメージを破るような役を演じれば考えも変わると思うけど。
で、先頃レンタルが開始されたばかりの『そして父になる」を見たわけです。これまでの彼のイメージを持ちながら。
いやあ、見事に今までのイメージを一新してくれました。彼の役を一言で言うなら、嫌なやつです。
一流企業に務めて妻と幼い一人息子と共に裕福な暮らしをしている男です。息子には身分に相応しい教育を受けさせ有名私立の小学校を受験させます。息子はそんなお父さんの期待に応えます。お母さんもそんな息子を応援します。それがこの家族のごく当たり前の日常。
父a

しかしある日、自分の息子と別の家族の子供との間で出生時に取り違えがあったことを知ります。
それを病院から聞いた福山は一言「ああ、やっぱりそうゆうことか」と呟きます。そこではサラリと流されますが、察しがいい人ならこの一言がどんな意味なのか分かるはず。ここからです。彼の嫌な人格が現れるのは。
そして登場するのがもう一つの家族。福山の本当の子供を育ててきた家族です。演じるのは、リリー・フランキーと真木よう子。
この家族は福山の家族とは対照的で決して恵まれてるとは言えません。けれど両親共々大らかで明るい性格で、いつも夫婦そろって3人の子供達の面倒を見ている笑顔と笑いが絶えない家族です。
父b

この二つの家族、どちらが幸せそうに見えるのかは明らか。
俺だって撰ぶなら真木よう子だ。子供になって彼女の爆乳に顔をうずめてみたい。あるいは吸って・・・
おっと、話が脱線しました(笑)でも本当に良い家族なんです。特にリリー・フランキーが凄く良い。
素の彼が醸し出す、どこかつかみ所がなくて飄々とした感じがそのまま芝居に出てて、適当で頼りないように見えるけど、実は人一倍家族想いでこの人なら何があっても守ってくれるって言う安心感があるんです。
子供達と一緒になって遊んでいる彼を見て、もう一人子供がいるようなものだと真木よう子は言います。そんな彼女の旦那と子供達を見る目もあったかい。
方や福山の家族には、そんな光景は見られません。仕事の忙しさで休日を取れないばかりか、食事さえも家族と一緒に取れない。
両家族が何度か会っているうちにぞれぞれの違いが一層浮き彫りにされていきます。そしてムクムクと湧いてくる福山のプライドとエリート意識。
話し合いをしたくても自分のほうが格上と思ってるからどうしてもそれが態度や言葉に出てしまう。
おそらく心のどかかには幸せな家族を見てうらやましく思った時もあったんでしょう。でも彼のプライドがそれを許さない。そりゃうらやましくもあるさ、なんたって嫁は真木よう子だ、あんな美人で爆乳の嫁なんだもの、それに比べて自分の嫁は・・・しまった、また脱線を(笑)
で、心ない言葉でリリー・フランキーを怒らせて逆に説教される始末。こうなると余計にプライドが許さない。ならあんたの本当の息子なんだろ、それだったら交換しようじゃないの、とそんな気持ちになるわけです。ようするにヤケクソですな。実際は望んでないくせにそれをやってしまう。本当にクズです。子供にしてみればこんなに酷い扱いはない。
父c

で、交換して本当の息子が家にやってくるんだけど、育った環境のせいでマナーがなっていないので一から教えることになる。ペットじゃないんだからそりゃないだろう。
そしてマナーを守らないと怒る。どうです、クズでしょう?
でもずっとこれだったらタイトルの意味がない。いつになったら父になるの?そう思いますよね。
ここまで1時間50分ぐらい、はたして残り僅かな時間で父になるのか?
でも大逆転ホームランが起きるんです。あれほどのクズが真っ当な人間に再生して父になる。
最後は感動と感涙必至です。ハンカチのご用意を。
父d

どうです?この福山雅治のイメージチェンジ。役柄にたいしてムカつくと思わすことが出来れば俳優としては立派です。さすがはスピルバーグ、そこに目をつけたか(笑)みなさんも思う存分ムカついてください。
改めて言いますが本当に感動出来る良い作品です。なんだか信じてもらえなさそうな紹介になってしまったけど(笑)
福山雅治もここに書いてるほど酷い人間ではないはず・・・・・たぶん

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最高にクレイジーで最高に面白い:『地獄でなぜ悪い』

大好きな監督の一人である園子温(そのしおん)監督の最新作『地獄でなぜ悪い』のレンタルが始まったので早速見てみました。
見る前は否定的な意見も聞いていたので少しばかりネガティブなイメージがあったんですが、それは映画が始まって40分ぐらいで完全に払拭されました。
実はこの40分と言うのが肝心でして、この監督の映画の特徴でもあるんですが、物語の展開が予想の斜め上を行っていてどこから本編が始まるのか全然分からないんです。まあ、コロコロと展開が変わってもどれも面白い話なんですが。
『愛のむきだし』を初めて見た時はいろんな意味で衝撃でした。30年以上映画ファンをやってますがそんな映画をこれまで見たことなかったですから。だって、勃起できない少年が真実の愛を見つけるためにパンチラ盗撮のプロになって、やっと見つけた理想の女性がカルト宗教にハマってしまって彼女をそこから助け出そうとする話ですよ。どうです?訳が分からないでしょ?wでもここに書いた内容はほんの序の口で、本編はこの数十倍はとんでもない話なんです。いや、もはや数値で語る次元ではなく、もはや未知の異次元レベル。それも、そんな話が前編後編合わせて3時間半の大作。まともな思考の持ち主なら途中で放棄してしまうかもしれない。あるいはパンチラマニアになってしまうかwいや、冗談じゃなく本気で。だってここまで女性のパンツが出てくる映画って他にないしw
そんなクレイジーな映画ですが、なのに面白い。最後には崇高な映画を見たあとのように涙が溢れて感動していまいますから。これも冗談じゃなく本気で。

で、『地獄でなぜ悪い』なんですが、『愛のむき出し』から崇高な感動を抜いてわけの分からない部分だけが残ったのがこの映画と思ってください。でも言っておきますが、めちゃくちゃ面白いです。相変わらず斜め上の展開で、まったく予想できない物語にただただ唖然としてしまいます。でもそれも最初のあいだだけ。バラバラに見えた話は、その歯車を噛み合わせた瞬間に猛加速で物語を一つの方向へと向かわせます。そして更にクレイジーな展開へ。
いつか映画史に残る作品を撮ることを夢見る映画バカの少年達、その名をファックボンバーズ。
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対抗ヤクザの殴り込みにあうが逆に返り討ちにしてしまい、殺人の罪で刑務所に入れられることになった親分の妻。
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自分の身代わりになってしまった妻の出所を待ち続ける親分。
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事件のせいでタレントになる将来を断たれたその二人の幼い娘。
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一度は失敗したものの、再び親分の首を狙う対抗ヤクザの若頭。
地獄e

そんな彼らが10年後、一つの目的を実現するために集まるのです。映画作りと言う目的のために。そこにプラス一人。
彼はどこにでもいるごくごく普通の青年でした。異常な日常の中に生きる異常な人間達ばかりの世界で唯一まともだった彼がなぜ巻き込まれたのか。しかし彼も運命の糸で結ばれた一人だったのです。
地獄f

そんな彼らの運命を一つに結びつけたのは、10年前、ファックボンバーズが神様に願った一つの願いでした。
「どうか映画の神よ、映画史に残るような偉大な作品を俺たちに撮らせてください、かなうなら死んでもかまいません」
そして10年後、ついにその時がくるのだ。
どうです?訳が分からないでしょう?wそして『愛のむきだし』と同じように、やっぱり本編はもっと訳が分からないw
なんども言うようですが、でも面白いんです。
一応、映画を撮る理由はあります。で撮る。でも最後はしっちゃかめっちゃかで脳みそぐるぐる状態。後に残ったのは無数に散らばる屍の山と血の海地獄、そして奇声を上げながら走る長谷川博己。やっぱり訳が分かりませんよね、でも面白いんです、信じてくださいw
地獄h

そのぶっ飛んだ内容をより過激にしているのが俳優達の演技です。おそらく台本を読んだだけではなにも理解できなかったはず。
しかし監督の過去作品の評価を信じてやるしかない。とは言ってみても、たったそれだけの理由であそこまで頭のネジが外れた芝居ができるんだろうか。ファックボンバーズのリーダーを演じる長谷川博己なんてキチ◯イそのまんまだし。ヤクザの若頭役の堤真一は小学生に恋をするロリコン。そんな役柄を全力で演じてるのが凄すぎる。改めて日本の俳優の凄さを思い知りました。そんな役柄で思い知るって言うのも問題ありと思うがw
あと、監督の映画に必ず登場するセクシーでエロい女優とエッチな場面。今回はヤクザの娘を演じる二階堂ふみがその役回り担当です。
まさにエロかっこいいとはこのこと。今回のエロはそんな感じ。
地獄g

その彼女が日本刀を手にして見せる最後の大立ち回りはかっこいいの一言。園子温の映画に登場する女性キャラクターってみんな個性的で魅力がありますよね。ただ、みんな頭のネジが緩んでるんだけどw絶対にまともにつき合えないし、ちょっとでもへたなことすると手痛い目にあってしまいます。『愛のむき出し』で安藤サクラにチ○コを切り取られた板尾創路のようにwでも、そんな女性達が出る映画がやっぱり面白い。
いろいろと書いてきましたが、おそらくこの面白さをまったく伝いきれていないでしょう。もうこれは見てもらうしかありません、そして流れに身を任せて感じてください、冷静になって見てはだめです、そのエクストリームな波動を感じるんです、そうすれば最高のトリップ感を味わえるはず。映画のなかでもコカインでハイになる場面があるしwちなみに、それをするのは例のふつ男君です。ようするに、そうでもしないかぎりは映画のような異常な世界につき合えないと言うこと。だから映画を見てハイになるのだ。
いやあ、やっぱり園子温は天才すぎる。『冷たい熱帯魚』や『恋の罪』もいいけど、個人的には『愛のむき出し』や今回の作品みたいなテイストが好きなので次回作にもそれを期待したいです。

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じつに面白い:『真夏の方程式』

少年は忘れない、あの一夏の思い出を。
蝉の音、潮の香り、水晶のように輝く海面を照らす夕日、それは都会からやってきた少年には全てが新鮮で心躍るもの。
そんな少年が一人の男と出会ったのは、少年の叔父夫婦が経営する民宿のことであった。少年は夫婦を頼りにこの海辺の町へやって来たのだ。
「僕、理科が嫌いなんだ」
きっかけはその一言であった。
小学校で習う授業はつまらない、そう男に話すと、彼は数日後に少年を連れて防波堤に向かった。その手には何かの実験道具らしきものが見える。
大学の先生。少年がそれを知ったのは男と初めて会話してからすぐのことであった。
防波堤にたどり着くと先生は、ペットボトルで作ったロケットを設置して何度も何度も沖へと飛ばした。
何度目かの飛行の後、先生はボトルの先に携帯電話を入れた。そして再び飛ばす。
着水。その直後、おもむろに少年の携帯が鳴りだす。なにかが画面に映っているが太陽の光ではっきり見えない。すると先生はスーツの上着を覆うように少年に被せてくれた。
そこに少年が見たのは、海中に泳ぐ色とりどりの魚達であった。
少年は思い出す。先生と出会ってしばらくして、沖に生息する魚達をこの目で見たいと話したことを。
なら君の嫌いの理科の力で海中を見せてやろう。それは少年への課外授業でもあったのだ。
先生と少年、ここに奇妙な関係が生まれる。
そして少年は知ってしまうことになる、その場所で起きたある事件を。
それは決して知ってはならないこと。知るには少年の心では重すぎる悲劇。
耐え難い感情が少年は襲う。だがそんな時、先生はすぐそばにいてくれた。そして少年に諭す。
「君は一人じゃない、僕もずっと一緒だ」
全てを理解したわけじゃない、だが少年の表情には受け入れた強さが滲む。もはやそこには迷いはない。少年は大人への一歩を踏み出したのだ。
少年は忘れないだろう、あの夏の思い出を、湯川学との出会いを。

そしてあれから十数年、僕は帝都大学の教壇に立っている。教えるのは物理化学。
研究室でひと時のくつろぎを満喫しているある日、扉が慌ただしく開かれ一人の女性が部屋へと入ってきた。
またあの女刑事だ。やっかいな問題を抱え込んできたに違いない。
「いいですか、こんなことは現実にはありえないんです、絶対不可能なんです」
彼女はそういって言葉を荒げる。だがしかし・・・
「なるほど、それは実に面白い」
チャ〜ララ〜チャララ〜チャ〜チャチャチャチャララ〜♪ここで『ガリレオ』のテーマソングがかかるw
すいません、少年が成長してからの話は自分の勝手な妄想です。『真夏の方程式』の続編があったらこんな感じかな、と。実際ありそうに思いません?
湯川b

とまあ、それはさておき、やっぱり東野圭吾は凄いと思うわけなんですよ。普通に一つの事件としても十分面白いのに、まさか少年のエピソードまで入れてくるんですから。それも井上陽水の「少年時代」みたいな雰囲気を醸し出すエピソードを。
しかもそれぞれがちゃんとからんでいるのも凄い。最初の方は思うわけです、え、この少年って重要?って、でもそれが一番大事な部分になっている。ここはネタばれになるので伏せておきます。
改めて言うまでもないけど、やっぱり東野圭吾って天才ですね。彼の本をもっと読みたい、でも時間が・・
身近に感じる人間愛、彼の作品ってこんな物語が多くありません?事件の裏にはそれがある。新参者はどうでした?見てないのでほとんど知らないんですよ。
『容疑者xの献身』もそうですよね、愛するが故に犠牲となる、『真夏の方程式』もそんな物語です。それが切ない余韻を与えてくれる、そこが良いんですよね。身近に感じるが故に感情移入もしてしまいます。容疑者Xの石神にはもらい泣きしてしまいました。おまけに石神を演じた堤真一の芝居がさらに良くて・・
今回も切ない。そして余韻もひきます。
湯川e

あともう一つの楽しみとして、今回は湯川萌えにもなっていますw
じんましんが出るほど子供嫌いなのに、なにかと無関心を装いながら少年のために一生懸命につくす湯川学にw
理科が嫌いと聞いて聞き捨てならないと、一生懸命ボトルロケットを作る湯川もツボw一緒に普通に民宿の晩飯食ってるし、しかもお揃いの浴衣でw
湯川c
湯川a

実はドラマ版の続編を見てないんですよね、前作は見たのに今回はなぜか見なかった。前作は世間でも賑わしていたしそれにのっかてる自分がいたけど、続編はそうでもなかったのかな。でも映画はさすがですね、それにふさわしい芝居と演出を持った見応えのある作品として評価できます。劇場で見れなかったことに後悔が残ります。次があれば必ず見たい。原作があればの話ですが。
絶賛レンタル中ですので是非是非。

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おっさんの目にも涙:『永遠の0』

太平洋戦争が始まったのが1941年。自分は1969年生まれです。その28年前に戦争が起こった事実。たかだか28年ですよ、28年なんてあっというまです。最近よく昔の歌謡曲を懐かしむ番組があるじゃないですか、特に多いのが80年代のヒットソング。自分にしてみたら、どれもつい最近夢中になって聞いていたような曲ばかりです。それが30年前。
映画だってその時代のものを一番楽しんでいました。『ターミネーター』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ロッキー』『ロボコップ』他にも上げたらきりがないほどです。それらも約30年前。やはり最近のように鮮明に記憶しています。30年なんて本当にあっというまです。
自分が産まれた年のその30年前に世界中が戦争で殺し合っていたなんて・・今のこの平和と文化の進歩がまるで嘘のようです。なのに皆が遠い過去の出来事のように忘れてしまっている。つい最近のことなのに。平和ぼけと言いますが、まさに今の時代がそう。
確かに、あの忌まわしい出来事を二度と繰り替えさないための懸命な努力の結果がこの短期間での平和と進歩を生んだと思います。
しかしあの戦争と散って逝った者達のことを過去のことと忘れるにはあまりにも早すぎるし悲しすぎる。今一度考えたい。
『永遠の0』はそんなきっかけを与えてくれる作品です。
永遠a

はっきりいって泣かせてきます。ここで泣け、と言わんばかりの演出と芝居と音楽が怒濤のごとく押し寄せてきます。でもそれで良いんです。そうすることで知らない戦争を知ることができるし考えることも出来る。
そういった意味では、主役の宮部久蔵を演じる岡田准一は最高のはまり役でした。
愛する妻と産まれた子供のために絶対に生きて帰ると誓う心の真っすぐな男。また隊長として部下を死なせたくないと思う優しい心の持ち主。彼らこそがこれからの日本をささえていくのだと。
永遠b
永遠c

嫁に対しても敬語を使う男ですからね、これぞ日本男児っていう理想の形で、岡田君の凛々しい顔も相まって主人公の人物像が観る者にはっきりと伝わってきます。とにかく芯の強い男です。
しかし激しさを増す戦況は彼のそんな心をも次第に砕いていきます。
願おうが努力をしようが多くの者が死んで行く、その無力さに絶望していくのです。そして彼はある決断をします。あれほど妻と子供のために生きて帰ると強く願っていた男が。そこから、この戦争がいかに冷酷で愚かなものであったのかが分かります。
その複雑な心の移り様を演じた岡田君もさすがです。館内では鼻をすする音がひっきりなしに聞こえてましたがそれも納得の演技です。なんというか、彼には多くを語らなくても雰囲気だけで観る者を引き込む才能がありますね、そして目でする芝居にも秀でている。とにかく絵になる男、そう表現するのが的確だと思います。
永遠d
永遠e

自分は原作未読派です。読者がひじょうに多い原作ということもあり映画との違いを指摘する人も多いですが、まだ読んでいなくてこれから映画を観ようと考えている人にはあらかじめ読まないことをおすすめします。原作は映画を観たあとに読むのがいいでしょう。
映画の後半には謎解きのミステリー的要素があり、その真相に驚くといったストーリー展開になっています。
ミステリーの多くがそうであるように、結末をあらかじめ知っているほどつまらないものはないですよね。だからといって全ての映画がつまらないわけではないですが。映画はあくまで総合芸術ですから。謎解きはその一つにすぎないこともある。『永遠の0』もそうです。でもより楽しむんでしたら読まないほうがいいと思います。
ストーリーや演技を堪能できる作品ですが、それ以外の見所としてCGレベルの高さにも注目したい。邦画もここまで凄いものが出来るようになったのかと驚きました。当時の戦闘を忠実に再現するのもこの映画の成功を左右する鍵ですからね、それが完璧でした。そういった映画が好きな人にも満足できる仕上がりです。大きなスクリーンで観るほどその出来の凄さを味わえますのでぜひ劇場で観ることをおすすめします。
最後に、この作品の原作者って、探偵ナイトスクープの構成作家さんなんですね。その仕事の合間をぬって作ったのがデビュー作である『永遠の0』なんだとか。
大阪に住む自分にとって探偵ナイトスクープは、あって当然といった空気のような番組です。その番組を作った人があの作品を作った。なんだか誇らしくもあり奇妙な親近感を作品に感じる今日この頃です。



テーマ : 映画レビュー
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プロフィール

ヒッシー

Author:ヒッシー
映画レビューから最新作の情報配信まで、映画に関する面白いことなら何でも書いちゃおうといったブログです。また映画フィギュアの紹介とそれを使ったコント劇も作っています。なぜか真面目な話が作れません(笑)と言うか、お笑いのほうが作ってて面白いし。
読んでくれた人に笑って楽しんでもらえる、そんなブログを目指しています。たまには真面目なレビューもするよ(笑)

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